活用しよう!教育訓練給付金制度

教育訓練給付金制度とは、雇用の安定・再就職の促進を目的とする雇用保険の給付制度です。この制度では一定の要件を満たす人が厚生労働大臣の指定する講座を受講し修了した場合、かかった費用の一定割合に相応する額がハローワークから支給されます。
 指定講座の分野は幅広く、介護に関するものもあります。
今回は、介護の資格取得やキャリアアップにも活用できる教育訓練給付金制度についてご紹介します。

介護のニーズ

 わが国では総人口が減少する一方で高齢者が増加していることから、介護サービスの需要は益々高まっています。
「介護の仕事」と一口に言っても、内容は多種多様です。食事介助や移動・移乗介助、入浴介助などを行う「身体介護」や、調理や洗濯といった「生活援助」があります。「身体介護」だけでなく「生活援助」においても、単なるお世話ではなく、高齢者お一人お一人にあった援助をするには専門的知識とスキルが必要となります。そのため、介護について学び、資格を持った人材の求人ニーズは高いといえます。

教育訓練給付金ってどんな制度?

  現在、他の業界で仕事をしているけれど、介護の知識や技術を身につけて介護業界への転職を考えている方もいらっしゃるかと思います。また、介護の仕事に就いてやりがいを持って働いている方の中には「将来、責任のあるポストを目指したい」「もっと専門的な知識を習得したい」と思っている人も少なくないと思います。そういった方々が目標に向かっていざ「学ぼう!」と思った時、学費という現実的な問題が発生します。
 そんなとき検討をしたいのが、教育訓練給付金制度です。
 この制度には「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育訓練給付金」の二種類があります。「専門実践教育訓練給付金」は、専門学校で学ぶような専門性が高く2年コースや3年コースといった長期間にわたる職業訓練を受ける場合が対象となります。今回はより活用しやすい「一般教育訓練給付金制度」についてもう少し詳しく説明していきます。
 この制度は、支給要件を満たす人が厚生労働大臣指定の講座を受講し修了すると、かかった費用のうち20%(最大10万円まで)が給付金として戻ってくるという制度です。たとえば、入学金と受講料あわせて10万円かかる講座を受講した場合、10万円の20%である2万円が給付されるため、実質の負担額は8万円になります。
なお、前述の「かかった費用」とは、入学金や最大1年分の受講料・テキスト代のことで、補助教材やパソコン代、交通費などは含まれません。

どんな人が利用できるの?

教育訓練給付金制度を初めて利用する場合は、支給要件期間が1年以上あることが条件となります。支給要件期間とは、受講開始日までの間に雇用保険の被保険者等(一般被保険者、高齢者被保険者または短期雇用特例被保険者)として雇用された期間のことです。現在の職場に勤めたばかりでもブランクが1年以内であり、前職で被保険者等だったことがある場合は、この被保険者等であった期間も通算されます。

また、教育訓練給付金制度は失業保険の給付を受けていても受給が可能です。
さらに、一度教育訓練給付金を受給した場合でも、前回の受講開始日以降の支給要件期間が3年以上であれば、再び制度の利用が可能です。そのため、制度を活用して働きながら、将来に向けて更なるキャリアアップを目指すことができます。

自分が雇用保険の被保険者なのかわからない場合や、過去に給付金の支給を受けたのがいつだったかわからなくなってしまった場合などは、ご本人であることが確認できる運転免許証や住民票があれば、管轄のハローワークで確認することができます。

働く人を支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的としている教育訓練給付金制度。キャリアアップしたい人も、転職のための資格取得を目指す人も是非、教育訓練給付金制度を活用してみませんか?

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