親の健康は子どもの健康
親子とも健康であるのは理想的なことです。では、子どもも親も健康であるには,どのようなことが必要なのでしょうか?
子どもが受診したときの問診で、何かの病気を抱えている親族がいるか、という質問がされることがあります。子どもの病気に遺伝的な要素が関係していることは確かにあります。必ずしも親ではなく、祖父母やおじ、おばなどの病気と同じ病気になることも少なくありません。
いずれにしても、遺伝が大きく影響して子どもが病気になるとすれば、親としてはとても悲しいことです。結婚して子供ができると、多忙で自分のことは二の次になり、自分の体のことを構っていられなくなるかも知れません。しかし、子どもへの影響を考えると、病気にならないようにすること、また、もし病気があるなら十分治療を受けることが必要です。
家族が同じ病気になりやすい原因としては、生活習慣も関係しています。肥満の子どもが増えていますが、その場合、親も肥満ということが少なくありません。同じ食事、同じ生活パターンをして、子どもは親の行動の仕方を真似ますから、良い生活習慣も悪い生活習慣も伝わることになります。親が健康を意識していれば、子どもも自然と病気にならないようにすることでしょう。
家族が揃って健康であることは大きな財産です。子どもだけでなく、親が病気になっても、家族の精神的・経済的負担は計り知れません。親として、子どもの健康に自分がどのような影響を与えているか、改めて考えてみることが大切です。