住み慣れた地域で最期まで暮らせる社会の実現
平成27年度から新たに導入された「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」は、要支援1・2の人が最も利用する介護予防訪問介護(ホームヘルプ)と介護予防通所介護(デイサービス)を全国一律の国の制度から切り離し、市区町村の裁量にゆだねられました。
(訪問介護と通所介護以外のサービスは従来どおり国の制度のままです。)
訪問型サービスに着目すると、要支援者の利用する訪問介護は、掃除や買い物などの家事をヘルパーにおこなっていただく「生活援助」のみを利用する人が8割を超え、ヘルパーが直接体に接して介助する「身体介護」を利用する人は2割もいないのが現状でした。
介護人材の不足や高齢化が問題視される中、ヘルパーは専門的な技術を必要とする身体介護に特化していただき、生活援助については短期間の研修を受けた「支援員(サポーター)」が実施できるようなサービスを設けている市区町村も多くあります。
このようなサービスは、支援を必要とする高齢者を助ける生きがいづくりになるだけでなく、介護人材の発掘や介護給付費の抑制、住民「互助」の取り組みの促進にも繋がります。
互助の取り組みは、「健康寿命」の延伸を図る上でも欠かせない要素とされています。
特に高齢者では、外出の機会やご近所付き合い、料理や庭作業などの生活関連動作に従事する時間の減少が、病気や要介護状態の引き金となりやすいとされています。
元気なうちから日常生活の範囲を拡大する意識も大切ですが、若い人たちも高齢者を地域で支えるための心配りが必要な時代になっています。